
「食品添加物の神様」。
加工食品業者の方達から、そう呼ばれていた安部司さん。
最近、偶然にも安部さんの添加物の授業風景を紹介しているTV番組を数回目にしました。
私が安部さんのことを知ったのは、半年ほど前。
書店に並べられていた安部さんの本『食品の裏側』を手に取ったことがきっかけでした。
本のタイトルに引かれ、立ち読みで数ページ読んでいたところ、あまりにもの面白さにとまらなくなり、そのままレジへ向かったほどその内容はとっても興味深いものでした。
安部さんの以前の職業は食品添加物専門商社のトップ営業マン。
廃棄寸前の食材に大量の食品添加物を投入し、お店に並べられる商品に変身させるお手伝い。
大量生産、長期保存のための食品添加物の投入など、利益重視の企業側の立場で、ありとあらゆる添加物を提案し、ある企業では、安部さんの指導のおかげでビルが立ってしまったほどだそうです。
安部さんの手にかかれば、どんな食品も店頭に並べられる商品に変身させてくれる。
これが安部さんが業界で「食品添加物の神様」と言われた所以です。
もちろんご自身は仕事が楽しくて仕方がなく、世の中の食品でできないものはない、「俺は日本一の添加物屋になってみせるぜ!」と意欲満々でした。
しかし、ある日ご自身が研究に携わった廃棄寸前の肉と大量の添加物でできたミートボールを、自分の子供がおいしそうに食べているのを見て、びっくりし「それは食べるな!」と思わずお皿を奪ったことで、家族も自分も消費者であることに気が付き、そこできっぱりと仕事を辞めたそうです。
安部さんは添加物が使われている実態を世間の方たちに知ってもらうこと、これが今まで自分が行ってきたことへの精一杯の罪滅ぼしになるのではないかと考えました。
そんな安部さんの授業は、たくさんの添加物を並べて、それらを目の前で調合し、誰もが口にしたことのある食品を作るというもの。
白い粉だけで作られる、とんこつスープ。
添加物だけで作られている子供たちが大好きなジュース。
ミルクなどまったく使われていない、コーヒーフレッシュ。
添加物と着色料でできる、つやつやで新鮮ないくらの皮。 …etc
確かに味はいつも口にしているものですが、実際にそれらが見たことのない粉や液体で作られていることに驚いている参加者の様子がTVでは放映されていました。
これらは添加物を調合したものなので、非常に低コストで商品をつくることができます。
同じ1リットルのお醤油なのに、なぜ1000円のものと198円のものがあるのか。
ハムは肉のはずなのに、材料をみると「大豆たんぱく」「卵白」「乳たんぱく」が使われているのか。
普通に考えれば、疑問に思うはず。。。
それらは、表示をみれば、おのずと答えがでている、と安部さんは本の中で何度も繰り返しています。
しかし、添加物に対して、ただ、これは危険!あれも危険!と、添加物の「悪」の部分だけをクローズアップし、否定ばかりしている類似の本とは違い、添加物のおかげで、調理時間が大幅に短縮できたり、食料品が日持ちすることで、腐らせてしまわずに保存ができたりと、食品添加物の「恩恵」もうけていることも事実だということを忘れてはいけないと、安部さんは謳っています。
大切なのは、この現実をきちんと把握したうえで、選択するのは自分で責任を持って、ということ。
特に、子供は親が与えたものを、だた何の疑いもなく口にする。
最後には食育の話になり、ちょうど食育に興味をもっていた私は、とても考えさせられました。
今回久々に読み返しましたが、1回目同様、、読み終えた時には気が引き締まる思いがしました。
完全に、というのは難しいけれど、できるだけ添加物を取り入れないようにする方法、そして添加物をもっと意識することを、この本から学びました。
「食品の“裏側”と告発するはじめての本」とご本人が出版された本。
食事は毎日のことなので、とても他人事ではなく、最後まで興味深く読むことができます。
久々にこの本を出してきて、近所のスターバックスコーヒーで一気に読んでしまいました。
コーヒー1杯で3時間。
とっても迷惑なお客でした。。。
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